11話 邂逅

「Dr…、おひさしぶりです…!」

とある町の一角、そこでデルタは、懐かしいヒトとの再会を果たしていた。

「うむ、元気そうでなによりだよ、デルタ君…」

モノクルの奥に据えられた目が、柔和に細められた。彼もまた、デルタとの再会を喜んでいる

ようであった。

「…デルタ、あの人は?知り合い?」

「うん、ボクの親代わりって感じの人…Dr,オミクロンさ」

誇ったように、デルタが紹介をする。

「おや?君たちはデルタ君の友達かい?」

オミクロンが質問する。

「あ、はい。仕事仲間のビットです」

「同じく、サジェロです」

「サジェロ君にビット君か。わしはお聞きの通りDr,オミクロン…といっても、

今は名前をかえてキーと名乗っているがね」

一見威厳があるかのような、しかし柔らかい物腰でキーは話す。

「しかし、残念だよ。せっかく会えたというのに………」

「もう、お別れしなくてはならないとはね」

キーの目には、先ほどの穏やかなまなざしがうそのように、殺意を抱く目に変わっていた。

「「「……!」」」

身を切るかのような彼の殺気に、一同が身構える。

「Dr、何を…」

「私はキーと名乗ったはずだ!!」

「!!」

たったの一声にも、さっきとは比べ物にならないほどに威圧感が増していた。

キーは、背にしまってあった鎌剣を取り出す。

少し小さな鎌のしたに、もうひとつの刃。鎌の付け根には、槍のように仕込まれた刃。

彼の殺気と相まって、その刃が妖しくきらめく。

途端、キーが矢の如く走りこんでくる。

身構えた三人は全員それぞれの方向に散らばる。

「ど…どうしたんですか!Dr!!」

「私はキーだと、何度いえばわかる!!」

鎌の部分を地面にたたきつけ、おもいきり振り上げる。

地面からは黒い衝撃波が飛び出し、デルタにおそいかかる。

(くそっ!なんで…なんでこんな…っ!)

呼びかけようと無駄なことを察したデルタは、セイバーを振り、衝撃波を真っ向から叩き切った。

そのまま勢いに乗り、キーの方へ疾走していく。

「デルタ!あまり出すぎるな!」

「うるさい!!」

「「!」」

デルタの声には、いままで感じたことのない悲しみと殺気がこもっていた。

「おまえらは手をだすな!!…こいつは、おれが!」

「な…、一体どうしたんだ?!」

「わからないが、俺達はさがったほうがいい!」

「…わかった」

サジェロの言葉で、ビットも退いた。

「くっ……うおおおおおお!!!」

デルタが、一直線にキーへと向かっていった。



  • 最終更新:2017-10-02 20:22:08

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